うるら毎週月曜、前週に見つけた世界史ニュースを独断と偏見で解説していくよ!
男性器の爪掃除具?!
イギリス・グロスターシャー州の道路工事に伴う発掘調査で、約1600年前(西暦300〜400年頃)の古代ローマ時代の銅製爪そうじ具が出土しました。
長さ約7cmの小さな道具で、先端は爪の汚れを掻き出す二又構造、柄の部分は男性器(ファルス)の形をしています。
古代ローマでは男性器の意匠は邪気を払い幸運を呼ぶ魔除けとして親しまれており、持ち主は身を守るお守り兼日用品として携行していたと考えられます。
現場からは他にも当時のベルト金具やコインなど、長年の人々の暮らしを示す遺物が発見されています。



古代の出土品って、女性器とか男性器とかを模した遺物が出土するよね。現代の感覚だとちょっと恥ずかしいかも…。



このケースのように古代ローマでは男性器が魔除けとして親しまれているし、日本の縄文時代の土偶なんかは女性の胸やおしりを強調したりして豊穣や子孫繁栄を願ったりしていたとされているね。
彼らにとって女性器や男性器は子宝を産む神秘的なもので、祈りの対象だったんだね。



地域が違っても同じように見ていたっていうのは面白いよね。



神話とかも異なる地域で似たような物語があったりするから、精神的な部分では人間の本能が同じなのかもしれないね。
出典:https://karapaia.com/archives/620378.html
イタリアのウフィツィ美術館91億円の大改修を発表!
ウフィツィ美術館群は、総額5000万ユーロ(約91億3000万円)を投じる大規模改修計画を発表しました。
今後約2年をかけ、開館を維持しながら数十件の改修を進めていきます。
- 本館・展示室:ボッティチェリ展示室(第10〜14室)の壁を「ルネサンス・グレー」へ刷新済み。代表作《プリマヴェーラ》《ヴィーナスの誕生》に開閉式ケースを導入。空調設備も大幅強化する。
- ピッティ宮殿:未公開だった最上層「目の階」を改修し、約1000平方メートルの展示枠を新設。
- ボーボリ庭園:3600本超の植栽再生や噴水の修復、劇場の改修を実施。



ウフィツィ美術館ってメディチ家のコレクションがベースになった美術館だよね!一度行ってみたいんだよね~。



そうだね。もともとはトスカーナ大公コジモ1世がオフィス(Uffizi)として建てた建物がベースの美術館。その息子のフランチェスコ1世が「上の階が空いてるなら美術品を飾ろう」とギャラリーにしたんだよ。



コレクションだけじゃなくて建物もメディチ家からなんだー!
でもメディチ家って断絶しなかったっけ?よく美術品がフィレンツェに残ったね。



メディチ家の本流が断絶した後も美術品がフィレンツェに残ったのは、メディチ家本流最後の人アンナ・マリア・ルイーザが「メディチ家のコレクションをフィレンツェから持ち出してはいけない」という約束を残したからだよ。
その約束を取り付けたのはメディチ家からトスカーナ大公を継いだフランツ・シュテファン・ロートリンゲン。
彼はハプスブルク家の皇女で女帝と言われるマリア・テレジアの夫だよ。



ひょー!ここでもハプスブルク家!近世以降の歴史のどこにでも出てくる。
出典:https://artnewsjapan.com/article/83349
サルデーニャ島の”ヌラーゲ文明”で「巨人の墓」出土
イタリア・サルデーニャ島中部のカッラルツ・イッディア遺跡で、青銅器時代に遡るヌラーゲ文明の新たな「巨人の墓(集団埋葬場所)」が出土しました。
この墓には埋葬室と儀式用の半円形エクセドラ(広場のようなスペース)を備えており、最大の特徴は埋葬室が上下二層に分かれている異例の構造である点です。
研究者は内部の陶器から初期ヌラーゲ文明のものと推定しており、謎の多い同文明の埋葬儀礼や高い建築技術、周辺遺構との関連性を解明する重要な手がかりとして期待されています。



ぬらーげぶんめい・・・?初めて聞いた。



教科書とかでよく出てくるクレタ(ミノア)文明(クレタ島)とかミケーネ文明(ギリシャ本土のペロポネソス半島)とかとほぼ同時期の文明とされているよ。
この3つの文明はそれぞれが独立していたというよりは地中海ネットワークでつながっていて、互いに交流していたようだね。
それだけじゃなくエジプトは新王国時代。ツタンカーメンとか、ラムセス2世とかの時代で、地中海ネットワークの一員とみられているよ。



意外と国際的だったんだね!
出典:https://artnewsjapan.com/article/83050
16年前に盗まれたレリーフが帰還
2010年にスペイン北部のサンタ・クララ修道院から盗まれた16世紀の木彫レリーフ作品(聖ボナヴェントゥラ像)が、16年ぶりに回収されました。
捜査「サルバティエラ作戦」は、バルセロナのオークションハウスで作品を購入した所有者の通報で始動。
マドリードの蚤の市「エル・ラストロ」を経由し、複数の業者や所有者を転々としていた経緯が判明しました。
警察が押収後、正当な所有者である大司教区への返還が決定し、2026年8月4日に主任司祭へ引き渡されました。



盗まれた美術品って、闇ルートに売られてそのまま行方不明…っていうのが多い気がするけど、このケースはすごく稀なのでは…?



とても幸運な例だね。そもそも盗品の回収率は数%~10%程度と言われてる。その上この例は16年、さまざまな人の手を渡ったのに目立った損傷もなかったんだ。



奇跡的すぎる!



ターニングポイントは2つ。蚤の市などの裏ルートから、オークションという、記録が残りやすい表舞台に戻ってきたこと。もう一つはそのオークションでの購入者が「盗品ではないか」と気づいて警察に通報したこと。
本当に奇跡と言えるね。
出典:https://artnewsjapan.com/article/83050
道路の資材として使われていた男性の大理石像が出土!
トルコ西部の世界遺産「サルディス遺跡」で、古代ローマ時代の敷石道路の下から紀元前5世紀(約2500年前)の大型大理石像が出土しました。高さ約2.2メートルの若い男性像で、保存状態が良好です。
- 保存状態の理由: ローマ時代に道路建設資材としてうつぶせで再利用・埋設されたため侵食を免れた。
- 文化的価値: 直立姿勢などのギリシャ的特徴に加え、リュディア伝統の衣装や神への供物とみられるマルメロの実を所持。
ギリシャ、リュディア、ペルシア間の文化交流を示す貴重な発見であり、修復後にマニサ県の博物館で公開予定です。



現代から見ると超貴重でも、当時からしたら良い建材だった、っていうのが面白いね。



本当にそうだね。しかもうつ伏せだったからより保存状態が良かったという奇跡。



石材は再利用されやすいのかな。そう考えると現代の建物にも古代に切り出された石が使われてたりするのかな。



可能性はゼロじゃないね。こういうのが石材文化の面白いところ。一方で日本は木材文化だから、そうはいかないけど。だからこそ伊勢神宮では式年遷宮といって定期的に建て替えをするという1300年も続く伝統的な神事が生まれたともいえるね。



建物の違いから文化の違いまで見えるの面白いね!
出典:https://artnewsjapan.com/article/83062
編集後記



今回は遺跡や美術品のニュースが多かったね! それにしても、爪そうじ具から巨大な石像まで、残るものって本当にいろいろ…。



しかも、魔除けとして使われたり、道路の材料にされたり、盗まれて16年後に戻ってきたり。物そのものだけじゃなく、「人々がどう扱ってきたか」にも歴史があるんだよね。



なるほど! 出土した瞬間だけじゃなくて、そこに至るまでの物語も歴史なんだ。



そうだね。美術館が作品を未来へ残すために改修するのも、その長い物語の続きを守ることなのかもしれないね。



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